地震保険が未加入であると

年額で数万円も相違することになるという不条理が見られるのである。このため、これらの府県境 において等地区分の低い側で、リスクとかけ離れた不当に高い料率の保険料を支払う事を忌避して、地震保険の更新拒否や、加入拒否が大量におきる事が懸念さ れている。

一方、阪神・淡路大震災では、最初の揺れから半日たった夕方に発生した火災をもとに火災保険を受け取ろうとした被災者が、地震保険が未加入であることを理由に断られ、保険会社を相手取って訴訟を起こした。2003年まで最高裁判所まで争われたが、被災者の敗訴に終わった。

そのため、被災者は保険会社に契約の瑕疵と原因不明を理由に保険金支払いを求める訴訟を起こした。裁判では当時の状況から火災原因が地震による ものとする判断だけがなされる形になり、2005年まで最高裁判所で争われたものの、敗訴が確定した。

北海道南西沖地震や阪神・淡路大震災では、住宅が損壊・焼損しても住宅ローンだけが残ってしまい、さらに損壊・焼損した住宅の建て替えるため、再度銀行等から借入れをするなど、多くの2重ローン債務者が生まれて社会問題化している。

その典型的な例が、1993年に発生した北海道南 西沖地震である。この地震では火災や津波で多くの家が被災したが、住宅購入時に金融機関で住宅ローンを組む際に加入した火災保険を保険会社に請求しようと した際、地震による被害を理由に支払いを拒否された。

地震保険は、建物の時価額の30~50%を限度として補償する保険であるため、地震保険だけでは住宅を再建するための費用(再調達価額)に対して保険金が不足することもありうる。

火災保険約款では、通常地震・噴火・津波によって生じた火災による損害を免責事由としているため、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災や1964 年(昭和39年)6月16日の新潟地震の場合などで、火災保険は罹災者救済策として役立たなかった。そこで地震保険の創設に対する社会的要望が高まり、 1966年(昭和41年)から地震保険に関する法律と地震再保険特別会計法が施行されることになり、地震保険が実現した。

付帯を希望しないときには確認欄への押印が必要である。地震損害の巨大性に対処するため、政府が再保険することとなっており、保険金の支払いの確実を担保 している。

日本以外の地震保険

なお地震補償保険も地震による損害を補償するが、地震保険に関する法律による制限を受けないため、これを「地震保険」と呼ぶのは厳密には誤りである。

保険料は、所在地(都道府県)と建物の構造により異なる。所在地は、地震の危険度により都道府県別に1等地~4等地まで の4つに区分されており(4等地は、東京都・神奈川県・静岡県)、建物の構造は、木造か非木造かの2つに区分されている。また、築年数や耐震等級などの割 引制度もある。

地震保険創設 時には地震の発生状況や頻度、活断層など当時のデータで算出した地震の発生確率によって47都道府県を4つの段階に区分し、基準料率を定めていた。

理由は契約書の「地震保険に入らない」という項目に印鑑が押されていたためだが、実際には住宅ローン を組む際、地震保険の話自体がなかったという。さらに、警察や消防から火災原因が不明と発表され、火災保険と地震保険のどちらが適用されるか分からない状 態だった。

見直しにより、大阪府と和歌山 県の府県境から始まって、長野県・静岡県の県境に到るまで見られるようになっている。所により、地質的にはまったく同質の地盤の上に建つ、数10メートル 離れた同じ構造の家屋の保険料が、間に県境があるばかりに、

また、損害保険会社の経営が破綻した場合に契約者保護を行う「損害保険契約者保護機構」でも、地震保険は100%補償されることになっている。

地震保険は、自動車損害賠償責任保険と同様、基準料率制度を採用している。保険会社各社は、損害保険料率算出機構が算出し、金融庁が認可した地震保険基準料 率を、そのまま適用する仕組みとなっている。

米国カリフォルニア州、ニュージーランド、トルコ、台湾、アイスランドには日本と同様に国や州政府が関与する公的な地震保険制度が存在する。このうち台湾などでは火災保険に強制付帯させる制度となっている。メキシコの地震保険は民間保険会社が運営している。

余談だが、2006 年度の等地区分見直しによって、一本の都府県境を挟んで等地区分が2等級違うという異常事態が関西から信越地方まで見られるようになり、問題になってい る。従前の例では、2等地である山梨県と、4等地である静岡県・神奈川県・東京都との都県境のみで見られた事象であったが、

地震保険は、被災者の生活の安定を目的とする保険であるため、保険の対象は住宅及び生活用動産に限られ、保険事故は地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による全損・半損・一部損である。

火災保険とセットでなければ加入できないことが、加入をためらわせていることもある。また、火災保険とセットであるにもかかわらず、地震保険金を受け取るときに同時に火災保険金を受け取ることはできない[1]。

今後、火災保険とセットでなければ加入できないという条件を撤廃させることにより、「火災保険はA社、地震保険はB社」といった柔軟な保険会社選びができるようになれば、地震保険加入の増加に弾みがつくと考えられる。

しか し、その後の地震の発生や活断層の調査結果などを考慮して、2006年にはそれが改正された。また加入促進のため、地震保険料の所得控除の制度が2007 年度より導入される。

この項目では、特に断りのない限り地震保険に関する法律で定められた固有名詞としての地震保険について記述する。

火災保険(主契約)の保険金額の30~50%に相当する範囲内で保険金額を設定することになるが、建物5,000万円、家財1,000万円が上 限となっている。

今後住宅購入者の関心が高まり、積極的に加入することも重要だが、金融機関や保険会社が住宅ローンを組む際に地震保険の話をしっかり行って加入を勧めるこ と、そして何よりも「火災保険加入=地震保険加入」に制度変更するなど、分かりにくさを払拭することも重要になろう。

地震保険

1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災以降加入の動きが広まった。

万が一の備えとして重要な保険の一つではあるが、掛け金が高いこと、さらに補償額が低いことがネックになっており、他の保険に比べると加入率の伸び悩み傾向は否めない。

2007年1月より地震保険料控除制度がスタートした。

こ れらの裁判では時間帯や原因による保険の適用も問題になったものの、むしろ注目されなければならないのは、地震保険の関心の低さと分かりにくさであろう。

なお、1回の地震について支払われる保険金の総額の限度が地震保険法施行令で定められており(2008年4月1日時点では5兆5千億円)、 支払うべき保険金の総額がその限度額を超える場合には、これに応じて保険金が削減される(関東大震災クラスの地震が発生しても全額支払可能と想定されてい る)。

詳しくは、保険料過徴収問題または火災保険の項目を参照。

こ の保険は、独立の保険ではなく、火災保険(住宅総合保険、店舗総合保険など)の契約に付帯する形(オプション)になっている。但し付帯を原則とするため、

2006年12月、大手損保各社において保険料を契約者等から過剰に取り過ぎていた問題が大量発覚した。当初は火災保険のみの問題と見られていたが、その後の調査により、火災保険とセット販売されていた地震保険についても保険料の取り過ぎ行為があったことが判明している。

ま た、火災が地震を原因にして発生したか否かの線引きや、契約の分かりにくさが裁判に発展することがある。

地震保険料率も、通常の保険料率と同じく、保険事故に対する保険金支払に充当する純保険料率と付加保険料率か らなるが、地震保険料率の付加保険料率には、保険会社の利潤は含まれていない(保険会社の社費と代理店手数料は含まれる)。

地震保険(じしんほけん)は、損害保険の一種で地震による災害で発生した損失を補償する保険である。